いま、半導体不足が世界的に起きており、多くの業界にとって頭痛の種となっています。
PC、モバイル機器、ゲーム機、自動車、ネットワーク機器、産業用機械などのメーカーは、製品の需要が急増する中、自社製品に使用する十分な数のチップを購入するために奔走しています。このようにあらゆる産業において、欠かせない半導体。半導体 不足することで、半導体を使うメーカーはもちろん、あらゆる産業が間接的な影響を受けることになります。
この記事では、世界的な半導体 不足 なぜ起きたのか、どれくらいの影響があるのか、いつ解消するのかについて解説します。
そもそも半導体とは?
半導体とは、ある時には電気を通したり、あるときは電気を通さなかったりする物質のことです。物質には、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」が存在していて、半導体はその二つの中間の性質を持っているため、電流を制御することができます。圧力や温度の環境、不純物の有無などの条件により「導体」に変化したり、「絶縁体」に変化する特徴があります。
日常生活でも身近な半導体
日常生活における半導体の用途は、非常に多く説明しきれないほどですが、ここでは代表的なものをまとめてご紹介します。
- エアコンの温度センサー
- 炊飯器での温度の制御
- 太陽電池
- 銀行のATM
- インターネット通信
その他にも半導体は、鉄道、高齢者介護のための医療ネットワーク、自動運転、3Dプリンターなど様々な場所でその役割を果たしています。
半導体不足の2つの理由
上記の通り、半導体チップは現代社会の生命線です。そもそもパンデミックの前から需要が供給を上回っていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大による新たな需要拡大とその急拡大による供給体制のひっ迫が半導体不足に拍車をかけました。
新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークの普及や巣ごもり需要が急拡大し、PCや家電に含まれている半導体が大きく不足しました。需要が高まった家電などに使用される半導体は、最先端の半導体が製造されている工場ではなく、一世代前の工場で生産されていました。しかし、そうした工場は老朽化が進んでいたため、多くの半導体メーカーがコストカットのためにファウンドリに委託しましたが、コロナによる需要拡大の中で各ファウンドリが大量の注文に対応できなくなってしまったのです。
また、米中貿易摩擦で米国が中国のファウンドリ企業に事実上の禁輸制裁を行い、台湾や韓国のファウンドリ企業に注文が殺到、半導体不足が顕著になりました。
さらに、2020年秋頃には当面回復しないと思われていた自動車市場が回復。半導体メーカーは家電やPCなどの生産ラインを増やし、車などの生産ラインは減らしていたため、自動車向けの半導体も大きく不足したのです。加えて、2021年以降は相次いで発生した自然災害や工場での水不足・火災によって、半導体不足がますます加速したのです。
今後の展望
現在は世界的に半導体不足に見舞われ、今後の半導体 ニュースについては様々な見解がなされていますが、2022年の夏ごろから徐々に解消し始めるという予想が出ています。これは昨年増強した設備が今年の下半期から稼働し始めるということに基づいています。今後の状況改善に期待しながら、半導体業界の動向に注目していきましょう!